犬のガン(悪性腫瘍)の治療について

 ガンの治療法は、人も犬も昔から「外科手術」「放射線療法」「抗がん剤(化学療法)」の3つを3大療法として主に用います。

この中で、血液のガン(リンパ腫や白血病など)を除けば、外科手術によって腫瘍を根こそぎとれることが最も良い治療になります。また外科手術によって十分取りきれない場合や取り残しなどが懸念される場合は、放射線療法を補助的に用いることによってより治癒に近い状態を得ることが可能です。

​ しかしそれではもしすでに転移している場合や、外科手術や放射線療法で全て取りきることができない場合はどうでしょうか。こうした場合、他の治療法を考慮する必要が出てきます。また動物の場合は、どうしても自覚症状を本人が訴えない分、病院に来ることが遅くなることも多々あり、そうした場合は、すでに進行している状況にあることも少なくはありません。そうした場合の一つの治療法は、化学療法(抗ガン剤治療)になります。しかし抗がん剤治療は一部のガンには効果が認められるものの、とくに固形ガンの場合効果が認められないガンも多数存在します。したがって積極的な治療法を選択することもできずに、対症療法しか選べないということも少なくありません。

 本研究室では、そうした場合に選択できるような新しいガン治療の方法を開発することを目的に日々研究しています。新しい治療法とは、医療ですでに用いられているものが多いですが、それを犬のガン治療に使えるようにすること、また医療でもいまだ確立していなくても、犬のガン治療で先行して使用できるようにするもの、などがあります。

​ 我々の研究室では、分子標的薬として低分子化合物と抗体医薬、免疫療法としてDNAワクチン、サイトカイン、免疫細胞療法(キメラ抗原受容体CAR-T細胞療法)、腫瘍溶解性ウイルス療法などを積極的に研究し、臨床応用することを目指しています。その中の一つで我々の研究室で力を入れて研究しているものが、抗体医薬です。抗体医薬とは体の中の特定の分子を抗体とよばれる物質によって狙い撃ちする治療法です。

Copyright © 水野 拓也(山口大学共同獣医学部臨床病理学分野分子診断治療学研究室). All Rights Reserved.

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